部分入れ歯を上手に選び、快適に暮らすための情報をまとめました
部分入れ歯が合わないと感じた時の、自分に合う入れ歯の探し方をご紹介しています。
部分入れ歯をお使いの方の中には、どうもぴったり合わない、不快感や違和感を感じてしまうという方がいらっしゃると思います。
基本的には、入れ歯は本来口の中にはないもの。どうしても、違和感を感じてしまうのは仕方ない部分があります。もしもまだ入れ歯を作ってそれほど時間が経っていないなら、まずは第一に入れ歯を使う生活に慣れることを考えましょう。使っているうちに、それほど違和感を感じずに日常生活が送れるようになるはずです。
しかし、時間が経っても慣れない場合や、何回も保険診療で入れ歯を作り直している場合には、思い切ってクリニックを変えて相談してみるのも手のひとつでしょう。入れ歯は生活時間の大半で口の中に入れているものですから、どうしても慣れない場合は違うものを試してみる価値があります。
初めは合っていたのに、使い続けているうちに合わないと感じるようになることもあります。これには、一般に以下の3つの原因が考えられます。
汚れているだけならちゃんと手入れをすればいいのですが、骨の状態が変わったり、入れ歯が磨耗してしまった場合には、入れ歯が合うようになることはありません。新しい入れ歯に替えた方が良いでしょう。
では、部分入れ歯にはどんな種類のものがあるのでしょうか。今使っているものと比較しやすいように、表にまとめてみました。
メリット | ・他の歯に力がかからず、揺すってしまうことがない ・歯が1本でもあれば装着可能 ・上顎の口蓋が抜けているので、食べ物本来の味がわかる ・前歯でも目立たないので、人からわかりにくい ・自分の歯だと錯覚するくらい軽い ・壊れたり歯が抜けたりしても、修理ができる |
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デメリット | ・時々調整が必要になる ・最初は着脱が難しく感じる人もいる ・講習を受けた医師でないと調整ができない ・あらかじめ残存している歯の治療が必要 |
費用 | 総額150,000~300,000円ほど |
メリット | ・装着のための金属部分がなく、床が小さくて軽い ・24時間装着ができるほど、他の歯への圧迫感が少ない ・残っている歯を揺らしたりしないので、痛めにくい |
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デメリット | ・大きい部分入れ歯には向いていない ・講習を受けた医師でないと入れ歯を作れない ・時々調整が必要 |
費用 | 欠損が多い場合は200,000~300,000円ほど |
メリット | ・しなやかで丈夫、軽い ・長時間使用しても臭わない ・無菌性樹脂素材なので、洗浄剤をほとんど使わずに済む ・金属を使わないので、アレルギーがあっても安心 ・残っている歯を削らず、あるいは最小限削るだけで装着できる |
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デメリット | ・削れやすく、摩耗しやすい ・使っているうちにザラつきが出てくる ・寿命は1年半~2年ほどと短い ・壊れた場合に修理ができない |
費用 | 7本~9本ほどのウェルデンツデンチャーなら210,000円前後 |
メリット | ・金属がないため、入れ歯だと気づかれにくい ・透明感があってしなやかな素材なので、歯茎に色が馴染みやすい ・強度が高いため薄く作ることができ、装着時の違和感が少ない |
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デメリット | ・フック部分が摩耗しやすいので、使っているうちに緩くなる ・柔軟性がある反面、修理ができないので定期的に作り替える必要がある |
費用 | 100,000~200,000円ほど |
メリット | ・金属のバネがないので、ほとんど気づかれない ・トラブルがあっても修理ができる ・他の歯への負担が少ない ・自然に外れることはないが、自分で外すのは簡単 |
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デメリット | ・残っている歯に内冠を被せ、そこに外冠を被せるので、内冠を被せる歯を削らなければならない ・精度が高い入れ歯なので、医師に高度な技術が必要 ・費用が非常に高い |
費用 | 本体費用 600,000~700,000円 内冠 1本100,000~200,000円 |
メリット | ・金属の金具を使わないので、見た目が良く、バレにくい ・入れ歯のガタつきがなく、つけていて違和感があまりない ・つけている時の安定感があるので、ものを噛む時の感触がいい ・着脱がしやすい ・強い力がかかると外れるので、他の歯に力がかかりすぎない |
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デメリット | ・他の部分入れ歯に比べると固定力が弱いので、歯の本数が少ないと使えない ・歯根が残っている歯がないと適用できない ・MRI検査を受ける場合に、事前に歯科医院に行って処置をしてもらう必要がある ・磁気アレルギーだと使えない |
費用 | 1装置10,000~100,000円ほど |
メリット | ・確実に固定されるので、入れ歯の安定感が高い ・着脱に力が不要で、外しやすい ・しっかり固定するので、長期間機能する ・壊れても修理ができる ・金具がないので、見た目にはわからない |
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デメリット | ・技術的に難しいので、施術できる歯科医院が少ない ・残っている歯を削る必要がある ・他の歯はある程度揺れてしまう |
費用 | 総額700,000円ほど |
メリット | ・金具がないので、見た目には入れ歯だとわからない ・残存している歯が少なくても適用できる ・寝るときに取り外さなくてもいい ・顎の骨が少なくても使える ・残っている歯への負担が少ない |
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デメリット | ・費用が高額になる ・特殊な技術のため、対応できる医師が少ない |
費用 | 片顎片側で250,000円ほど 維持装置は1本あたり180,000円ほど |
メリット | ・歯が1本でも残っていれば適用できる ・金属を使っていないので、見た目には入れ歯だとわからない ・健康な歯を削る必要がない ・留め具がないので、他の歯に負担をかけない ・装着感がよく、違和感がない |
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デメリット | ・費用が高額 ・粘膜が痩せたり、歯並びが変わったときにうまく装着できない可能性がある ・歯茎の状態によっては適用できない可能性がある |
費用 | 総額270,000円程度 |
入れ歯が合わなくなってしまうと、うまく噛む力を発揮することができません。そのため、まず固いものを食べることができなくなります。お漬物やおせんべいだけでなく、お肉も食べるのが難しくなります。食生活に悪影響が出ることは間違いありません。
それによって栄養が偏るので、健康にも影響が出ます。どうしてもエネルギー不足になり、活力を失ってしまうことになりかねません。気分も落ち込むので、老けてみられてしまいがち。
さらに、口の筋肉を上手に使えなくなるので口の機能が低下します。噛み合わせが悪くなると、全身の健康にも関わります。肩こりや頭痛の原因にもなるので、合わない入れ歯を使い続けるのは危険です。
入れ歯が合わない場合は、自分で対処するのは危険です。まずは、信頼できる歯科医師に相談しましょう。少し調整すれば入れ歯が合うようになったり、ぴったり合う入れ歯を提案してもらえたりするでしょう。
応急処置として入れ歯安定剤を使うという手がありますが、これはあくまで一時的なもの。長期間使うことはオススメできないので、歯科病院で相談するようにしましょう。